【レギュレーションFダブル】第28回東北ポケモンオフ優勝ガエンバレルスタン

1.はじめに

 お久しぶりです。猪狩です。

24/02/10(土)に行われた第28回東北ポケモンオフの優勝構築を公開します。本構築は確率や期待値に基づいてふざけてるようで、結構真面目に考えたので、見てもらえると嬉しいです。

f:id:i-love-29nohi:20240212111743j:image

 

2.構築経緯

 レギュレーションFでガオガエンが解禁され、強いミストメーカー・エレキメーカーがおらず、かふんだんごを取得したモロバレルとの組み合わせは、理論上最強と言っても過言でありません。威嚇が通らないポケモンが増えたとは言え、ガオガエンの対面操作性能は群を抜いていますし、再生力とかふんだんごで自身も味方のリソースを理論上無限大に出来るモロバレル...と表現すると分かりやすいです。(厳密に言えば、PP24で味方12匹分のHPという制約がありますが)

 理論上最強とは言っても、実際はどうなの?草テラスや防塵ゴーグルでキノコのほうし&いかりのこなを無効化されたり、不定の位置からちょうはつが飛んで来たり、キノコのほうしをみがわりで逆にアドバンテージ行動にされたり...

 じゃあ、対策されたら弱いじゃんと見えるかもしれません。しかし、本質的に強いから対策されるわけだし、対策する側はある程度構築のパワーは落としているとも言えます。9世代で構築を組む上で大事なことはやはり「パワー」です。パワーと立ち回りと運である程度勝てていれば、ある程度の対策を乗り越えることは出来ます。正直、あからさまな対策をそれらで破壊する方がチョーーー絶気持ちいいです。というわけで、ガエンバレルを「使う側」に回りました。

 ガエンバレルと相性のいいパワーを探したところ、メガネハバタクカミとスカーフ水ウーラオスが適任と考え、採用しました。

①メガネハバタクカミ(フェアリーテラス)

無効化タイプのない高火力フェアリー技がとにかく強力で、ガエンバレルのサポートにより行動回数を2回以上に出来るとゲーム展開が楽になりやすく、相性がいいです。ダブルバトルにおいて重要要素の一つである全体技を組み込むことが出来るのがGood。

②スカーフ水ウーラオス

御三家サイクルが出来る、まもるを無視、ねこだましとの相性◎、とんぼがえりにより草タイプに70or140の威力で殴りながら交代出来る、すいりゅうれんだorインファイト圏内まで削ればいいというようにゲームメイクしやすいという点などから相性が良いです。

上記の4が軸となり、他@2の補完枠を探すこととしました。上記4でキツイor@2で欲しい要素としては

・相手の草タイプor草テラスに対して強い裏目(強力な氷打点や飛行打点)

・ハバタクカミイーユイ、エルフーン軸ビートダウン(テラキオン、日本晴れなど)、イエッサンテツノカシラ、ギミック系統、トルネロススタン(めっちゃキツイわけではないけど勝率を上げたい)

→気合いの襷、とつげきチョッキ持ちで行動保証が明確な数値の高いポケモンで、サイクルというよりは対面的に立ち回るのが良いと考えました

・先制技持ち、ある程度の押し付け要素、S操作(S操作は出来れば入れたいくらい)

というわけで、気合いの襷パオジアンと突撃チョッキタケルライコが候補に挙がりました。パオジアンは命中90ではありますが、非接触つららおとしの押し付けがあり、草タイプに対しての裏目としても優秀です。タケルライコは、高い数値からエレキネット、じんらいによる縛りが出来ます。両者とも技範囲が広い、先制技を所持、明確な行動保証のあるパワーとして採用を決めました。

 

3.個別解説

ハバタクカミ

f:id:i-love-29nohi:20240212111758j:image

性格:ひかえめ
実数値:145-×-91-180-151-180
努力値:116-0-124-68-4-196
特性:こだいかっせい
持ち物:こだわりメガネ
テラスタイプ:フェアリー
調整意図:

A172パオジアンのつららおとし確定耐え

こだいかっせいでCアップ

最速111族抜き

技構成:マジカルシャインムーンフォースシャドーボール/ねごと

 ハバタクカミミラーに関しては、モロバレルで誤魔化しが効く、Sブーストでなければウーラオスで上から叩ける、最悪フェアリーテラスを切ることで行動保証があることから、素早さはトルネロス、オーガポンを抜ける最低限の180で、耐久と火力を両立したような配分としました。(私の趣味が入ってはいます)

 技構成に関して、フェアリー+ゴーストでほぼほぼ何に対しても等倍以上を取れるので、マジカルシャインムーンフォースシャドーボールまで確定で@1はモロバレルミラーで汎用性を落とさず催眠耐性を得られるねごととしました。ほろびのうたも便利ではありますが、ギミックや高耐久対しては立ち回りや運次第でなんとかなるはずです。ねごとをプレイするときは出来るだけ期待値を信じて動かすと良いです。(眠り消化2ターンまではねごとを選択、それ以降はケースバイケースで)ねごとのランダム要素について下記のように削りたい方向に技をプレイ出来る確率は2/3です。相手視点は都合良く見えますが、確率としては分の良いランダム要素になります。

マジカルシャイン1/3

ムーンフォース1/3...削りたい方向1/6

シャドーボール1/3...削りたい方向1/6

 また、味方のモロバレルのキノコのほうしで眠らせるプレイを114514試合に1回くらいやります。じんらい/りゅうのはどう/めいそう/まもるのような構成のタケルライコはねごとを選択したハバタクカミに触ることが出来ないことは覚えておきましょう。

 

ガオガエン

f:id:i-love-29nohi:20240212111824j:image

性格:しんちょう
実数値:202-135-123-×-143-79(S個体値29)
努力値:252-0-100-×-156-0
特性:いかく
持ち物:オボンのみ
テラスタイプ:くさ
調整意図:

HDベース

無振りガオガエン-1

技構成:フレアドライブねこだましすてゼリフ/まもる

 大前提として、ガオガエンの交代技(ここではすてゼリフ)は素早さの遅い方が相手の交代先にデバフを入れられる上、後出しじゃんけんで交代先を選べるため有利となります。その上、序盤にガオガエンガオガエンねこだましを打つリターンは少ないです。(交代、おんみつマント、ゴーストテラスが裏目となるため)とはいえ、最遅まで素早さを落としてしまうと、無振り付近のあかつきガチグマ、テツノカイナ、ディンルーはもちろんこちらのSランクが-1(こごえる風、エレキネットなど)のときに無振りモロバレルに抜かれてしまう弊害を危惧して79に設定しました。耐久面は、ガエンバレルミラーのハバタクカミやタケルライコの攻撃を出来るだけ耐えて欲しいため、HDベースとしました。

 高火力技が飛び交うレギュレーションFでは、ガオガエンがはたきおとすを打つ余裕はあまりないと考えています。(確かに相手のぼうじんゴーグルをケア出来るのは偉いですが。)その為、@1の技をまもるとし、明らかにガオガエンに攻撃が集中されそうなとき、まもりながら隣を交代して盤面操作の手段を増やすのが合理的と思います。

 持ち物はHPが1でも残っていればクッションの役割を果たせるため最大HPを伸ばすオボンのみとしました。防塵ゴーグルは確かにミラーが楽にはなりますが、極端に言えばHPの努力値を396損しているとも言えます。立ち回りが楽になる≠勝てるなので、個人的に好きなアイテムではありません。

 

ウーラオス(れんげき)

f:id:i-love-29nohi:20240212111838j:image

性格:いじっぱり
実数値:181-200-121-×-84-140
努力値:44-252-4-×-28-180
特性:ふかしのこぶし
持ち物:こだわりスカーフ
テラスタイプ:はがね
調整意図:

A204カイリューのわざわいテラスしんそく確定耐え

最速135族を抜いたついでに最速スカーフドーブル抜き

技構成:すいりゅうれんだ/アクアジェットインファイト/とんぼがえり

 タケルライコの登場や、オーガポン&ゴリランダーのグラススライダーにより従来の水テラスでは動きにくい場面が増えました。せっかくスカーフを持っても、先制技に対しての耐性がないのは本末転倒です。その為、これらを等倍もしくは半減以下に抑えられるテラスタルにすることで行動保証を持たせるのが良いと考えました。テラスタイプに欲しい要素としては

①くさ半減(グラススライダー)

②でんき等倍以下(じんらい)

③フェアリー半減(Sブーストハバタクカミ)

④ノーマル半減(しんそく)

上記よりはがねテラスとどくテラスが候補に挙がりましたが、しんそく半減やはがねの耐性の偉さを評価してはがねとしました。

f:id:i-love-29nohi:20240212113254j:image

 技に関して一致技のすいりゅうれんだ、インファイト、くさタイプを殴りながらサイクル出来るとんぼがえりまでは確定として@1で悩みました。詰め筋の増えるアクアジェットとしましたが、ほぼほぼ打つ場面が現状ないので、アイススピナー、いわなだれ、ねごと、みきりなども一考です。

 

モロバレル

f:id:i-love-29nohi:20240212111858j:image

性格:のんき
実数値:220-×-122-105-113-31(S個体値0)
努力値:244-0-164-0-100-0
特性:さいせいりょく
持ち物:ひかりのこな
テラスタイプ:みず

調整意図:

A172パオジアンのつららおとし確定耐え

D方面もあり程度欲しい

最遅

技構成:かふんだんご/キノコのほうし/いかりのこな/まもる

 モロバレルのオボンのみは確かに偉いですが、49%以下の攻撃+51%以上の攻撃で100%以上になる組み合わせで集中されることは珍しくないです。また、かふんだんごが打てるとは言え、不定の位置からちょうはつが飛んでくると場合によっては苦しい展開となることがあります。(もちろんちょうはつを打っている時点でそのポケモンは攻撃出来ていないので、ダメージレースでやや不利になりやすいです。それ故、ちょうはつがモロバレルに入ってもノープロブレムな場合もあります。これが私がダブルバトルにおいてちょうはつという技が好きでない理由です。)これらより、相手視点見えずに期待値を下げることが出来るひかりのこなが偉いのではないかと考えました。例えばパオジアンにつららおとしを打たれる場合、こちらが怯む確率は①通常と②ひかりのこなでは以下のように違いがあります。

①0.9×0.3=0.27(27%)

②0.9×0.3×0.9=0.243(24.3%)

弱めのおんみつマントという捉え方も出来るでしょう。また、威力の期待値に関しても違いがあります。

①85×0.9=76.5

②85×0.9×0.9=68.85

というようにひかりのこなは、相手とこちらで確率や期待値に関しての視点ずれが生まれるアイテムです。(こうかくレンズもです。これが面白いので、視点ずれを発生させるアイテムは個人的に好み。)もちろん、相手のちょうはつも命中90となり、安定技ではなくなります。攻撃の被弾回数が必ず多くなるモロバレルはひかりのこなとの相性◎です。

 素早さは最遅としました。モロバレルミラーで両方のモロバレルガオガエンバックしたとき、遅く交代した方にいかくが入らない為です。ただ、相手のモロバレルより速く動いてかふんだんごを打ちたい場面もあるので一長一短です。まだ私の中では答えが出ていません。

 テラスに関してはみずが無難とは思いますが、フェアリーも一考です。悪ウーラオス、タケルライコのりゅうせいぐん、セグレイブのきょけんとつげきの裏目を作ることが出来ます。

 

パオジアン

f:id:i-love-29nohi:20240212111918j:image

性格:いじっぱり
実数値:155-189-101-×-85-187
努力値:0-252-4-×-0-252
特性:わざわいのつるぎ
持ち物:きあいのタスキ
テラスタイプ:ゴースト
調整意図:火力が欲しいのでA特化

技構成:つららおとし/せいなるつるぎ/ふいうち/まもる

 A特化か最速かで意見が割れるポケモンですが、最速にすることによる恩恵はハバタクカミ、パオジアンミラーに強めに出られるくらいです。本構築では、高速帯の同速勝負を頑張りたいわけではないのでより多くの場面で強い準速A特化としました。最速エルフーンを抜いているので十分と考えています。

 技構成に関して、非接触の押し付け技であるつららおとし、盤面整理のまもるは欲しいとして、@2は先制技と何かという構成が良いです。とりあえずガオガエン、はがね、パオジアンに通るせいなるつるぎ、威力70の先制技のふいうちと無難な構成としました。おいかぜ等で上を取られている状況でも化身ランドロスを縛れるこおりのつぶてもありだと思います。

 

タケルライコ

f:id:i-love-29nohi:20240212111927j:image

性格:ひかえめ
実数値:225-×-112-207-110-102
努力値:196-0-4-252-4-52
特性:こだいかっせい
持ち物:とつげきチョッキ
テラスタイプ:ほのお
調整意図:

C特化

エレキネット後に準速100族抜き

残り耐久

技構成:10まんボルトりゅうせいぐん/じんらい/エレキネット

 技構成で悩みました。欲しい要素としては、先制技(じんらい)、ドラゴン技(りゅうせいぐんorりゅうのはどう。でんき+ドラゴンの技範囲が◎)、隣のポケモンの行動保証を確保する技(S操作:エレキネット、デバフ:バークアウト)です。じんらい、りゅうせいぐん、エレキネットを選択しました。ドラゴン技どちらにするかは迷いましたが、2回打ったときの威力の期待値がギリギリりゅうせいぐんの方が上であること、数値火力のインフレの環境ではとりあえず1回動くことが重要であると考えているのでりゅうせいぐんとしました。(個人的な好みでは、命中不安定単体技は好きではないので出来れば採用したくないです。)エレキネットは、初手トルネロスに対して強い安定行動になること、威力55のダブルダメージもタケルライコの数値だと馬鹿にならないことを評価して採用しました。@1は高火力でんき技の10まんボルトを採用しましたが、ボルトチェンジが欲しい場面もありました。

 テラスはハバタクカミイーユイを意識してほのおとしました。みずが弱点になりますが、みずタイプはじんらいが等倍以上で入るのでそこまで気にはなりませんでした。

 正直、技構成とテラスタルはまだ完全に納得いっていません。もっといい案があるかもしれません。

 

4.選出

 あくまで例ですが、だいたい以下のように選出しています。①、②以外はまだ個人的に納得いっていない部分もありますので、参考程度に。

①基本選出

先発:ガオガエン+ハバタクカミorウーラオス

後発:モロバレル+ハバタクカミorウーラオス

②ゴリランダー+ほのおオーガポン

先発:ガオガエン+ウーラオス

後発:モロバレル+パオジアン

 

③イエッサンテツノカシラ

先発:タケルライコ+@1

後発:@2

 

トルネロス入り(トルネロスが選出されそうな場合)

先発:タケルライコ+ガオガエン

後発:モロバレル+@1

 

⑤晴れ追い風ビートダウン、雨などの対面要素での立ち回りが強いられる構築

先発:パオジアン+ウーラオスorタケルライコorモロバレル

後発:ウーラオスorタケルライコ+@1

 

5.最後に

 今回のオフではひかりのこなが勝ちに直結した試合はありませんでした。(95%でほぼ勝ちを勝ち確定にした試合は2試合あったくらい。)やや下振れた感あるので、n数を増やせば本領発揮出来るはずです。

 ここまで確率や期待値という言葉を使ってきましたが、私自身数学専門でもなければ、得意というわけでもありません。しかし、確率や期待値の考え方を知っているかどうかで日常生活において様々なものの見方が変わってきます。(ゲーム、お金や資産の運用などなど。)数学嫌いな方でも知っておいて損のない知識と思いますのでご参考にして頂ければと思います。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。私がひかりのこなモロバレルを使うのはいいのですが、使われるのは嫌なのでレンタルチームはここでは載せません()使いたいけど、育成面倒だよという方いらっしゃいましたら、こっそりDMください。

f:id:i-love-29nohi:20240212112036j:image