1.はじめに
こんにちは、DAIKIです。今回は世界大会で使用した構築を紹介させていただきます。
2.構築経緯
VGC2017では様々な構築を試しましたが、AFK以外にしっくりくるものがなかったので、AFKを使うことに決めました。カビゴンがとにかく多いのではないか、JCS本戦と違って持ち時間制であるため耐久型のポケモンが強い、ノーマルZクリアスモッグトリトドンが海外であまり知られてないのではないかという理由でトリトドンを使いたいと考え、Risingさんのレヒレトドンを参考にさせていただくことにしました。
環境読みはGACT+カビゴン+キュウコンorレヒレ、NBA、チョッキマンダ+弱点保険メタグロスのような構築が多く、カミツルギはどこからでも炎技が飛んでくるため少ないと予想しました。
3.個別解説
カプ・コケコ
性格:おくびょう
実数値:146-×-105-137-95-200
努力値:4-×-0-252-0-252
特性:エレキメイカー
持ち物:デンキZ
技構成:10まんボルト/マジカルシャイン/ボルトチェンジ/守る
7世代のポケモンはいかにZ技を通せるかが勝敗に大きく関わり、高い素早さからデンキZを打てるのは合理的であるのでデンキZで採用しました。技構成はシンプルですが、汎用性が高くデンキZコケコの結論だと考えています。
また、神速+デンキZで相手のコケコを落とせるなど同速対決が重要であることが多いので臆病最速で採用しました。
ウインディ
性格:しんちょう
実数値:188-137-101-x-137-125
努力値:180-52-4-x-196-84
特性:威嚇
持ち物:イアのみ
技構成:フレアドライブ/おにび/しんそく/守る
いじっぱりHDぶっぱという欲張り配分で使っていましたが、レヒレを抜くためにSに多めに振ってあるマッシブーンに抜かれたことがあるので最速テッカグヤ抜きまでSを引き上げ、このような配分となりました。
守りたいのとウインディには半分回復きのみが強いと考えているので半分回復きのみで採用しました。
技構成についてフレアドライブと守るは重要な技です。次に先ほども述べたように神速+デンキZで同速勝負を仕掛けることができ、ギリギリ落としきれなかったポケモンを縛りたいので神速、威嚇を入れられても腐らない、ウインディをジメンZで落とされるよりも剣の舞を舞われるほうが明らかにまずいときに便利であったり使用感がとても良かったので鬼火を採用しました。ブルルやメタグロスに刺さるのもgood。
カプ・レヒレ
性格:控えめ
実数値:177-×-135-154-150-113
努力値:252-x-0-180-0-60
特性:ミストメイカー
持ち物:たべのこし
技構成:なみのり/ムーンフォース/めいそう/まもる
めいそうを積んでいない状態でもある程度の火力が欲しかったのでひかえめ、ジバコイルにできるだけ抜かれたくない、ミラー意識でSを113まで引き上げました。
Day1では半分回復きのみで使用していましたが、あまり発動せず食べ残しのほうは良いことが多かったので食べ残しに変更しました。
カミツルギ
性格:いじっぱり
実数値:156-221-151-×-83-140
努力値:172-0-0-×-252-84
特性:ビーストブースト
持ち物:こだわりスカーフ
技構成:リーフブレード/せいなるつるぎ/スマートホーン/ハサミギロチン
直前までスカーフにするか襷にするか迷いましたが、やはり耐久と高いSを両立しているスカーフで採用しました。
配分は以前のものとあまり変わりませんが、スカーフ畳返しドーブル意識で140までSを引き上げました。
リーフブレード、せいなるつるぎ、スマートホーンまでは確定として、はっぱカッターや辻斬りを打ちたい場面がほとんどなかったので不利な状況をワンチャンひっくり返せるはさみギロチンを採用しました。
ポリゴン2
性格:ひかえめ
実数値:191-x-128-143-126-81
努力値:244-x-140-36-84-4
特性:アナライズ
持ち物:しんかのきせき
技構成:めざめるパワー(じめん)/れいとうビーム/トリックルーム/じこさいせい
配分は以前のものと変わらずれいとうビームで無振りガブリアスを倒せる、カミツルギの格闘Zを耐えるものです。
めざめるパワーじめんはウツロイド意識です。トゲデマル、ジバコイル、エンニュートにも刺さり、コケコ、ウインディ、ガラガラ、デンジュモク、ギガイアス、ピカチュウ、ライチュウ、ベトベトン、メタグロスなどに対してもトライアタックと同じ火力を出せます。ガブリアスに打つれいとうビーム、S操作のトリックルーム、持ち時間制であるため守るよりも自己再生で詰ませるパターンも作りたかったので自己再生としました。テッカグヤに対して打点が薄くなりますが、ウインディコケコのHP管理をしっかりとすれば勝てると考えこの技構成になりました。
特性はダウンロードだとAが上がることがほとんどでウツロイドに対してめざ地面を確定2発にする、C143れいとうビーム耐えガブリアスの調整を崩すことができる、挑発の的となりやすいポケモンであり、ときには下から殴ることも重要だと考えアナライズにしました。
トリトドン
性格:ずぶとい
実数値:206-x-122-112-124-57
(S個体値25or26)
努力値:156-x-180-0-172-0
特性:よびみず
持ち物:ノーマルZ
技構成:ねっとう/クリアスモッグ/たくわえる/じこさいせい
本家の配分で使っていたときにもう少しD方面に耐久が欲しいと感じたのでこの配分にしました。
技構成について守るが欲しいと感じることもありますが、技スペースがないので不採用。
Zたくわえるは知らない相手には刺さり、初見では対処しづらいと感じました。
4.SDテキスト
Tapu koko@ElectriumZ
Ability:Electric Surge
Level:50
EVs:4HP/252SpA/252Spe
Timid Nature
IVs:0Atk
-Thunderbolt
-Dazzling Dream
-Volt Switch
-Protect
Arcanine@lapapa Berry
Ability:Intimidate
Level:50
EVs:180HP/52Atk/4Def/196SpD/84Spe
Careful Nature
-Flare Blitz
-Will-O-Wisp
-Extreme Speed
-Protect
Tapu Fini@Leftovers
Ability:Misty Surge
Level:50
EVs:252HP/180SpA/60Spe
Modest Nature
IVs:0Atk
-Surf
-Moonblast
-Calm Mind
-Protect
Kartana@Choice Scarf
Ability:Beast Boost
Level:50
EVs:172HP/252SpD/84Spe
Adamant Nature
-Leaf Blade
-Smart Strike
-Sacred Sword
-Guillotine
Porygon2@Eviolite
Ability:Analytic
Level:50
EVs:244HP/140Def/36SpA/84SpD/4Spe
Modest Nature
IVs:0Atk
-Hidden Power Ground
-Ice Beam
-Trick Room
-Recover
Gastrodon@NormaliumZ
Ability:Storm Drain
Level:50
EVs:156HP/180Def/172SpD
Bold Nature
IVs:0Atk/25or26Spe
-Scald
-Clear Smog
-Stockpile
-Recover
5.選出や立ち回り
5.1対 GACT
先発:+or
後発:or+
ガブリアスに剣の舞を舞われないように立ち回るのとテッカグヤに打点のあるウインディのHP管理をしっかりとすることが重要です。水の通りがいいのでレヒレトドンで攻めます。
5.2対AFK
5.2.1トゲデマル入り
先発: +
後発: +or
5.2.2トゲデマルがいない場合
先発: +
後発:@2
トゲデマル入りにはカミツルギで有利対面を作ってサイクル戦を仕掛けること、いない場合はコケコを通していくことを考えます。
5.3対NBA
先発:+
後発:@2
めざ地面ポリ2が刺さっているのでこの先発が安定します。
5.4テテフ・ジーナorフワライド
先発:+
後発:+@1
バルジーナには早めに鬼火を撒き、テテフをできるだけ早く処理したいです。
5.5マンダグロス軸
先発:or +@1
後発:@2
メタグロスをデンキZで縛れるコケコか鬼火を撒けるウインディを初手に出します。
5.6ガラガラ+水タイプ(レヒレorミロカロス)+テッカグヤ
先発:+
後発: +@1
構築的に水タイプの処理をコケコツルギに依存していて、この2体を選出しずらいのでキツイマッチングです。相手のレヒレが瞑想型であればなんとかなりますが、メガネだった場合トリトドンが要塞化する前にゴリ押されます。ワルビアルなど挑発持ちがいれば尚更キツイです。
5.7対雨パ
先発: +@1
後発: +@1
ゴルペリのような雨選出では来ないはずなので物理アタッカーをけん制できるウインディを初手に出します。
6.結果
6.1 Day1
Round1 Andrew Nowakさん
(◯×◯)
ポリゴンZの持ち物がスカーフであることが1戦目でわかる。鬼火ウインディとポリゴン2が刺さりなんとか勝ち。
Round2 Carson Conferさん
(××)
普通の毒毒持ちポリゴン2であればレヒレでなんとかなりますが、毒毒ポリゴン2+ブルルの並びでフィールドを書き換えられたりして負け。
Round3 Louis Milichさん
(◯××)
テッカグヤがタネばくだんを持っていることが1戦目にわかる。それとキュウコンのフリーズドライに気を付けていれば勝てるはずが、詰めが甘く負け。
Round4 Demitrios Kagurasさん
(◯◯)
カミツルギさえ倒せばレヒレトドンで勝てると考え、ゴリ押しでカミツルギを突破して勝ち。
Round5 Kim Soothyunさん
(×◯◯)
負けん気に怯えてレヒレポリ2を初手に出して負け。2戦目以降はカミツルギを初手に出すなど選出を変え、めざ地面ポリ2が刺さり勝ち。
Round6 Cesar Reyesさん
(◯◯)
ギャラドスに鬼火を外し、赤いギャラドスだったので警戒はしていたが飛び跳ねるZを打たれる。しかし、それ以上に構築相性が良すぎて勝ち。
Round7 Robbie Mooreさん
(×◯◯)
配信択を引く。1戦目の先発はコケコツルギvsコケコライチュウ。ライチュウにめざ炎が仕込まれてる可能性も考えたが、ここで弱気のプレイングをしては勝てないだろうとツルギを突っ張らせる。しかし見事にめざ炎で焼かれて1戦目を落とす。先発をコケコウインディに変えて裏からツルギを通して2戦連取して勝ち。
6.2 Day2
Round1 ショコラさん
(〇××)
いきなり日本人ミラーでガラガラ+レヒレ+カグヤの構築でその上カミツルギがいたためかなりキツイ。1戦目は身代わりカミツルギへの択をしっかり当てて運も良く勝ち。2戦目ギロチンワンチャンス外して負け。3戦目はトリル最終ターンでお相手襷でないツルギ、体力半分弱の威嚇入ったガラガラ vs こちら体力半分弱のウインディvs 体力6割くらいのポリゴン2。ウインディ守る、ガラガラにめざ地面でガラガラを落とすが、ポリゴン2方向にフレドラ、聖剣を集中されトリルが切れて負け。ヌメルゴン出されてもきつかったし、素晴らしい構築だと思いました。
Round2 Bejamin Tanさん
(〇×〇)
レヒレトドンでゴリ押して運もよくなんとか勝ち。
Round3 てるるんさん
(×〇〇)
1戦目コケコポリ2vsロイドウインディでボルチェンとめざ地面をロイドに集中するが堅実に守られ負け。2戦目はグロスのアムハン避けもあって勝ち。3戦目は相手のブルルにウインディで威嚇を入れるが交換読みでストーンエッジを打たれ急所で威嚇を貫通されて突破される。まだ時間があれば勝てるが、50分ルールということで数でこちらが不利。途中でジャッジの人が介入した次でラストターンねと言われたが続けろと言われそれがこちらに有利に働き勝ち。実質自分の負けなので申し訳なさしかありませんでした。
Round4 Alex Gomezさん
(×〇〇)
1戦目は相手の初手がコケコマンダでコケコのボルチェン→グロス、マンダのじならしのムーブがなぜか頭の中から抜けていて負け。2戦目は1戦目にガラガラが選出されていなかったのでツルギのスマホとコケコのデンキZをマンダに集中して落とし勝ち。3戦目は隠していたノーマルZたくわえるで勝ち。
Round5 たきさん
(××)
できれば避けたかった日本人ミラー。Round4まではなんとか耐えていたが、この試合で一気に疲れが出てきてボロが出てしまう。初手コケコポリ2vsレヒレウインディでウインディバックトゲデマルが読めたのでデンキZをレヒレ方向、めざ地面をウインディに打つがトゲデマルが風船の場合をなぜか考慮しておらず負け。2戦目は2連守るを決められなければ勝ちのところまで詰めたが決められ負け。AFKミラーでたきさんのほうが上でした。
Round6 バルドルさん
(××)
崖っ淵のところでまたもや日本人ミラー。バルドルさんの構築はガラガラ+レヒレ+テッカグヤ+ワルビアルで構築的に不利。ワルビアルが挑発を持っている、レヒレのSが負けている、プレイングに隙がなく完敗。このタイプの構築にメガネレヒレが採用されるのは盲点でした。
Round7 Nick Navarreさん
(〇××)
消化試合であったがせめて最後くらいは勝って順位を上げて終わりたいと思っていた。1-1で迎えた3戦目、カビゴンに2連守るを決められ、最後のコケコの同速対決にも勝てず負け。
Day1:マッチ戦5勝2敗(内訳11勝7敗)
Day2:マッチ戦3勝4敗(内訳8勝11敗)
Opponents'Win50.00%、Opponents'Opponents'Win49.48%、最終52位
7.総括
VGC2017は色んなポケモンが活躍でき、ガブリアスが強すぎない→岩雪崩が強すぎない、環境の変化が目まぐるしかったという点で最後まで楽しむことができました。
2.で述べた環境読みはだいたいはあっていました。しかし、ガラガラ+レヒレ+カグヤのような構築が多かったのは予想できませんでした。ウインディとポリゴン2がレヒレに対してほぼ何もできない技構成にして苦戦を強いられました。ミロカロスの場合はレヒレトドンの起点にできるのであまり気になりませんでしたが、レヒレだときつかったです。日本の全国大会のときはブルルが結果を残しましたが、今回の世界大会はレヒレが強かったと個人的な印象です。Day2で負けた日本人3人のレヒレは自分のよりも速く、レヒレの研究が足りなかったと痛感しています。またガラガラはHPの種族値が低くフレアドライブの反動もあってHP管理が難しく、自分には到底扱えないだろうと試してみようとしなかったのもよくなかったと思います。このように反省点ははありますが、自分の中では最高の構築を組むことができました。
Day2で3-1の後に2連敗してドロップアウトしたのは悔しいですが、世界最高峰のプレイヤーたちと対戦出来て楽しかったし、誇りに思います。来年も世界でプレーしたいのですが、就活と重なりポケモンをやっているか怪しい、やっていたとしてもJCS予選を抜けられるかわかりません。でもまたアメリカに行けるのであれば、ベストを尽くす所存です。
8.QRコード
https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/BT-4A3C-BBC8
9.Sepcial thanks
最後に構築を参考にさせていただいたRisingさん、Bo3の練習相手になってくださったわかさん、たきさん、ぅゅさん、そして遅い時間まで日本から応援してくださったみなさんありがとうございました!