【レギュレーションHダブル】第30回東北ポケモンオフ優勝構築スカーフイダイトウスタン

1.はじめに

 お久しぶりです。猪狩です。

 24/11/23(土)に行われた第30回東北ポケモンオフの優勝構築を公開します。個人的なレギュレーションHに対する解像度・理解力が十分でなく、発展途上の構築と思います。要所で運が良かったり、型のずれにより優勝することが出来ました。

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2.構築経緯

 レギュレーションHの特徴とは...を考えます。

①特定のポケモンの二面性がとにかく強すぎる。例えばコノヨザル、ヘイラッシャ、グレンアルマというパルデアのともっこ3匹をはじめとしてブリジュラス、カイリュー、イッカネズミなどなど型によって対処方法が180°違うポケモンが多すぎます。型を判別するために様子見をしようとすると、積み技やおいかぜなどでアドバンテージを取られ巻き返すには手遅れになってしまうことも少なくありません。

②確率の引っ掛けに対しての拒否がとにかく難しすぎる。使用率1位(24/11/24現在)のオオニューラのフェイタルクローを初め、ワタッコビビヨン等の速いSラインからのねむりごななどなど。

 一言で言ってしまえば、再現性に乏しいレギュレーションです。9世代は他世代より上記2点の傾向が強いと思いますが、特にレギュレーションHでは顕著であります。真面目にケアする側が損するのは違うのかなと思っていて嫌いなレギュレーションです。それでもめげずに全対応に近づけるにはどうすれば良いかを考えました。

 ①について状態異常やアンコール等の変化球で型がどちらでも対応できるようにすればよいと考えました。モロバレルのプレイには個人的に自信があったので、モロバレルを採用。

 次にてきおうりょくイダイトウのパワーが頭一つ抜けており、モロバレルと相性も良いので採用。行動保証アイテムを持たせる必要性が強く、サイクルと中〜終盤のスイーパーを狙えるこだわりスカーフを持たせることとしました。

 とつげきチョッキを持たせてパワーのあるポケモンを探しました。普段人の構築を参考にすること基本ないのですが、エリザベートさんのほぼ耐久に全振りのチョッキブリジュラス(SVシーズン23ダブル最終1位&3位使用構築 ランクマのレートの盛り方|えりざべポケ)を参考にしました。詰め筋になれる、イダイトウのクイックターン引先として優秀、モロバレルのかふんだんごとの相性◎、火力方面ほぼ無振りでもB上昇した状態のボディプレスやエレクトロビームはなんだかんだ火力が出ます。ということで採用。

 モロバレルでカバー出来ない範囲に対して、電磁波アンコールカイリューが対応可能と考えました。地面の一貫を切れる、相手視点スケイルショットやハチマキしんそく等のケアを強要できる点が理不尽。ということで採用。

 ガオガエンや草タイプの処理速度を上げたい、晴れや雪等の天候に強くしたいということで、個人的に好きな性能でありませんが渋々ぺリッパーを採用。イダイトウとブリジュラスを副産物的に強化。これで見た目は雨パですが、本質的な考え方としては雨パではありません。補完的にペリッパーが入った経緯になります。偉い人にはそれが分からんのです。

 最後の@1でかなり悩みました。サーフゴーやドドゲザンに圧をかけることができ、出来れば全体技を使え、ある程度汎用性のあるポケモンがいいのですが、現状見つけられていません。ひとまずガオガエンを採用しました。

 ②に対してはどうするか。現状どうしようもない。対戦相手がニュータイプでないことを願うしかない。試せていませんがラムのみの評価が高いです。

 

3.個別解説

イダイトウ

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性格:いじっぱり
実数値:195-183-86-×-95-130
努力値:0-252-4-0-0-252
特性:てきおうりょく
持ち物:こだわりスカーフ
テラスタイプ:ゴースト
調整意図:

AS振り切り

技構成:ウェーブタックル/クイックターンアクアジェット/おはかまいり

 ポケモン対戦は基本的に残数少ない方が不利となりやすいですが、おはかまいりはそれを覆す性能を持っています。中〜終盤にどれだけイダイトウの行動回数を増やせるかが勝敗に直結しがちです。ではどうやって行動回数を増やすか。それが後述するモロバレルカイリューになります。

 テラスタイプはゴリランダーのグラススライダーを耐えつつおはかまいりのリーチを少しだけ伸ばせるゴーストとしました。ゴーストテラスを切った場合、水技に対しててきおうりょくが乗らなくなり、火力が弱くなることに注意です。

 

モロバレル

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性格:のんき
実数値:220-×-122-105-113-31(S個体値0)
努力値:244-0-164-0-100-0
特性:さいせいりょく
持ち物:オボンのみ
テラスタイプ:みず

調整意図:

HBベース

D方面もある程度欲しい

最遅

技構成:かふんだんご/キノコのほうし/いかりのこな/まもる

 レギュレーションHでは、全体的な火力が下がり、オボンのみモロバレルの対処が難しくなっています。さらにゴリランダーの相対的な弱体化(レギュレーションHでは、相手の悪巧みサーフゴーやチョッキブリジュラスのような位置を回復させてしまうのがネックすぎる。さらにドラゴンや鋼が強すぎて草技の通りが絶望的。)により、個人的にモロバレルの評価が高いです。レギュレーションHは、草タイプの採用が難しいと言えるでしょう。

 かふんだんごを切ったモロバレルもある程度環境に存在しますが、かふんだんご採用かそうでないかで、完全に別のポケモンと考えています。(一回りくらいパワーが違う)出来ればヘドロばくだんも草の攻撃技(エナジーボールくさむすびリーフストームのどれか)も欲しいですが、技スペースがないです。ないものはないのでしょうがないです。

 かふんだんごモロバレルのプレイは非常に難しく、100%の出力でプレイできる人はかなり少ないんじゃないかと思います。私が仕上がっているときは80%くらい?かふんだんごモロバレルの立ち回りを言語化出来ればいいのですが、私は出来ないです。申し訳ない。

 テラスに関してはみずが無難とは思いますが、炎なども一考です。

 

ブリジュラス

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性格:ずぶとい
実数値:197-×-176-146-105-108
努力値:252-0-76-4-156-20
特性:じきゅうりょく
持ち物:とつげきチョッキ
テラスタイプ:くさ
調整意図:

HBDにガッツリ

技構成:エレクトロビーム/ラスターカノン/ボディプレス/バークアウト

 試合によって毎回役割が変わり、立ち回りの幅がかなり広いです。イダイトウと組み合わせて、ウェーブタックルorおはかまいりで突っ込んでくるか、クイックターン→ブリジュラス出しの2択を押し付けることが出来ます。(こちら視点。相手視点はとりあえずすいすい乗ってない処理の優先順位高いイダイトウを削ろうとしたら、なぜか上からクイックターン、ブリジュラスのBアップという感じ?)モロバレルのかふんだんごとの相性も◎で、相手視点見えづらい勝ち筋を追うことが出来ます。

 チョッキじきゅうりょくとパワフルハーブがんじょうを両方採用したいと思うことがしばしば。つまりブリジュラスはレギュレーションHにおけるハバタクカミなんじゃないかと思うこともしばしばあります。

 テラスタイプはモロバレル入りに選出しやすいように草としました。地面半減で、炎弱点もペリッパーの雨で消すことが出来るので、草テラス適正ありと思います。

 

カイリュー

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性格:いじっぱり
実数値:198-181-116-×-121-121
努力値:252-84-4-×-4-164
特性:マルチスケイル
持ち物:こうかくレンズ
テラスタイプ:

調整意図:

S+1で最速イッカネズミ抜ける程度

最低限Aを確保しつつなるべく耐久高め

技構成:スケイルショット/でんじは/アンコール/はねやすめ

 モロバレルを選出しづらい場合に先発で投げて、でんじはをばらまいていきます。でんじはを積極的に入れておきたいポケモンとしては、ウルガモス、コノヨザル、ヘイラッシャ(合体)、ブリジュラス、カイリューなどなど。例えばウルガモスに対しては、でんじは→アンコールでちょうのまいを固定させて、アンコールラスト1ターンにイダイトウで倒すか、でんじは後にブリジュラスのバークアウトを何回か入れて一生放置するかみたいな。でんじは+アンコール+はねやすめが相手のテラスや積みに対して滅法強いです。

 命中率90%のスケイルショット・でんじはを振り回して長期的に勝ち続けるのは現実的でないため、持ち物はこうかくレンズとしました。いかさまダイススケイルショットをビシバシ当てられる人が非常に羨ましいです。

 

ペリッパー

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性格:ひかえめ
実数値:136-×-120-161-90-117
努力値:196-0-4-252-4-52
特性:あめふらし
持ち物:きあいのタスキ
テラスタイプ:ゴースト
調整意図:

CS特化

技構成:ウェザーボール/ぼうふう/おいかぜ/まもる

 あくまで補完で入ってきたポケモンです。これにより見た目が雨パなので、相手に対面に対して強い選出を誘導することが少し出来ます。数値は高くないので出来れば選出したくありませんが、環境的に選出せざるを得ないことが多いです。

 配分、持ち物、技構成に関しては完全に考察不足だったと思います。個人的にはCSタスキ以外あり得ないという先入観もあり、とりあえずCSタスキとしました。しかし、晴れパに対してとんぼがえりを使って立ち回りたいことや催眠耐性が欲しいことが多かったり、思ってた以上にクッションとして運用したいことが多かったです。つまり、ラムのみ持たせて耐久にある程度振り、ウェザーボール、ぼうふう、とんぼがえり、まもるのような構成を試すべきでした。

 

ガオガエン

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性格:しんちょう
実数値:202-135-123-×-143-79(S個体値29)
努力値:252-0-100-×-156-0
特性:いかく
持ち物:ヨプのみ
テラスタイプ:ゴースト
調整意図:

HDベース

無振りガオガエン-1

技構成:フレアドライブ/はたきおとす/ねこだましすてゼリフ

 一番しっくりきていない枠です。汎用性のある炎として採用しました。持ち物は持たせるものがなく、ヨプのみかひかりのこなで直前まで迷いました。オオニューラやボディプレスブリジュラスなどを意識してヨプのみとしました。テラスタイプは単純に変え忘れました。

 ペリッパーをタスキからラムのみに変えることでタスキが余るので、タスキを持たせて良さげなポケモンを探すのはありです。ASカラミンゴ?(嘘っぽい)それに囚われずとも、ガブリアス、ドドゲザン、ガチグマ、あかつきガチグマ、ウインディ、ヒスイウインディなどを試していきたいところです。

 

4.選出

 あくまで例ですが、ざっくり以下のような感じです。

モロバレルorカイリューを起点にゲームメイクしたい場合

先発:イダイトウ+モロバレルorカイリュー

後発:ブリジュラス+ペリッパーorガオガエン

 イダイトウクイックターン→ブリジュラスなどにチェンジ、モロバレルorカイリューでキノコのほうしorでんじはみたいな初動。イダイトウウェーブタックルで突っ込むことも。イッカコノヨに対しては、ASネズミザンケアでイッカネズミにウェーブタックル、でんじはをコノヨザルに押すことが多いです。仮にふくろだたき+ふんどのこぶしをイダイトウ方向の場合、確実にカイリューが生き残ってでんじはを入れられます。体感7〜8割くらいはこの選出です。

 モロバレルカイリューも相手の悪巧みサーフゴーに隙を見せやすいので、要注意。でもイダイトウが生存していれば、なんとかなることが多いです。

②ブリジュラスを積極的に通したい場合

先発:ブリジュラス+イダイトウorペリッパー

後発:イダイトウorペリッパー+@1(主にモロバレル)

イエッサンアルマ系統など、ブリジュラスをメインにゲームメイクしたい場合の選出です。

 

5.最後に

 予選4-3でギリギリ3位抜けからの優勝で実質DeNAベイスターズでした。レギュレーションHは個人的には嫌いなルールで結果はどうであれ、今回の東北オフで最後にしようと決めていたので最高の結果で終わることが出来て非常に良かったです。ただ、もし次のレギュレーションがGであるならば、こちらに関しても自分の中での結論が出ているので、正直やる意味がないかなと思います。そうなるとしばらくポケモンから離れることになりそうです。冬眠するので、面白そうなレギュレーション来たら起こしてください。

 やはり、スペシャルレートのようなフォーマットの必要性を感じています。ポケモン自体のモチベーションが全くない訳ではなく、ぼくのような人の為の受け皿があってもいいんじゃないかなと。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。本当に東北オフのスタッフのみなさんには頭が上がらないです。対戦面だけでなく、交流も広くすることが出来ました。プライベートがややバタバタしていたので、1〜2週間前にキャンセルするか迷っていましたが、行って本当に良かったです。

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